2015年10月30日金曜日

CANノイズ耐性について

CANはノイズに対して優れた耐性を持っているという特長があることは先述のとおりです。CANはどのような仕組みによってノイズの影響を除去しているのでしょうか。

まずは一般的に使われるデジタル信号波形にどのようにノイズが影響するかを見てみましょう。このとき電圧が5Vを超えると1、それを下回ると0というふうに電圧レベルで1-0判断をするとします。このとき外部からノイズがあり、ノイズのせいで電圧が5.1Vになってしまうとどうでしょうか。すると5Vを超えているので、1の信号を送ってないにもかかわらずこれは1であると誤判断されてしまいます。

CANの場合はどうでしょう。パワートレイン系に使用されるHigh Speed CAN(CAN-C)では、「2線式作動電圧方式」で通信を行っています。あらかじめ2本線(ツイストペア)を用意し、0か1かの判断はこの2本の線の間に流れる電圧の差で判断されます。

すると、仮に外部からノイズが混入したとしても、(2本のそれぞれの線に混入するノイズの強さはほぼ同一なので)、結果的にその2本の線の電圧差にはほぼ影響が及びません。ゆえに外部からノイズが混入しても1-0判断の結果には影響がほぼ及ばないのです。

パワートレイン系とは・・・
・・・ドライブトレインの別名。動力源からギア、シャフトなどを介して末端部分に動力を伝える機構を指す語。
(日本語表現辞典 Weblio辞書 パワートレインの項目より引用)

参考文献
はじめてのCAN」Vector Japan株式会社 2015年10月31日閲覧。